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冬は氷の芸術に出会え春は食の楽しみが広がる


2014年5月14日6:10 PM

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「天空の楽校」看板娘の稲垣さん

 

 地域活性化のためのちまきづくりが地域の人の生きがいに

 私が秩父に移住することになったきっかけは、所属していた事務所が秩父に廃校を借りてスタジオを作るという計画でした。東京で生まれ、自然とほとんど触れることもなく、インディーズで音楽活動をしていました。でも、もっとじっくり納得するまで音楽を作りたいと思い、秩父に来たのです。

海抜550m付近の皆野町立沢地区周辺
海抜550m「天空の里」と呼ばれる皆野町の集落
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皆野町立日野沢小学校立沢分校は昭和54年に閉校した

 ところが、来てみると海抜550メートルの山の中、荒れ果てた廃校、水も出ず寝るところもない有様。ひたすら掃除や補修作業に明け暮れました。でも、良い事も多々ありました。素晴らしい景色や自然、鹿やフクロウなどの動物に会えたり、集落の人たちの温かさに触れたり、私が初めて体験するものばかりでした。水のない不便さは美味しい湧水を使い、お風呂は近くの日帰り温泉施設を銭湯のように使う楽しさへと変わっていきました。中山間部の不便な暮らしは、ペーパードライバーだった私に山道を走るドライブテクニックを与えてくれました。改めてよく周りを見ると、素晴らしい所だったのです。

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「天空の楽校」は廃校の再利用プロジェクトとしてオープン

 こんなに素晴らしいところなのに、過疎化が進んでいる…。そんな時、地域活性化で何かやってほしいという話がありました。借りた廃校は食堂がありました。ここで何か名物になるような美味しいものを作り、カフェをやってみようと考えました。インディーズ時代にレシピ番組をしていたことがあり、その知識を生かして中華ちまきを作ることにしました。

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「天空のちまき」&「天空バーガー」

 いざ、カフェ「天空の楽校」をオープンさせてみると大好評!毎日ちまきが売り切れてしまいます。ちまき作りに追われる日々が続きました。そこで集落のみなさんに声をかけ、パートに来ていただく事になりました。 ちまきは道の駅、農産物直売所、温泉などに、様々な場所で販売していただけるようになりました。今は毎日ではありませんが、5人のパートの方に来ていただいてちまきを作っています。 65歳以上の方や海外から嫁がれて来た方、子供が小さくて働けない方など、それぞれの事情が許せる範囲でパートに来ていただいています。 そうした皆さんのおかげでちまきをたくさん作れるようになり、順調に売り上げを伸ばし、今では東京へ出張販売などにも行けるようになりました。パートの方からは、生き甲斐が出来たと言われた事が一番嬉しかったです。

集合
「天空のちまき」を手作りしている集落の皆さん
制作風景2
もちろん、すべてが手作りです。

 

 秩父で暮らすことは自分らしく生きていること

 さて、秩父での暮らしですが、冬はとても寒くマイナス10度にもなります。この時期の夜空の星はとても美しく、氷の芸術にも会うことができます。春は様々な花が咲き乱れて新緑が美しく、山菜など食の楽しみも広がります。ご近所さんからたくさんの野菜をいただき、食生活が豊かになります。田舎って素晴らしいですね。

s-景色
おいしい水と空気と緑、絶景が広がるこの環境!

 これからですが、ただひたすらちまきを作って販売するという事だけではなく、地域活性化という仕事をずっとライフワークとしてやって行ければ良いなと思っています。中山間部でも仕事を作り、地域に雇用を作り、多くの人に来ていただく。これが今の私の夢です。

 移住して思う事ですが、人は誰も心の居場所を探しているのではないかと思っています。私は、秩父に来て周囲の人から必要とされ、癒され、自分を活かし、生き甲斐を持って生きる事が出来るこの場所が、今の私の居場所だと思っています。たまに東京へ行くと、ファッションや文化についていけないと感じることがあります。そして、名実ともに田舎者になったな、と感じています。でも恥ずかしくはありません。それどころか、ちょっと嬉しい感じがします。なぜなら、今私は自分らしく生きていられるからです。そして幸せだからです。

 

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”懐かしく楽しい”天空の楽校

埼玉県秩父郡皆野町上日野沢652

TEL&FAX 0494-62-5431

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